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肉か魚で悩むなら、飽和か不飽和かで悩まねばならん

2020年10月15日


 「タンパク質は体重60キロなら1日60ℊ以上が目安」

といわれる。

 細胞再生のための需要は大きいため、加齢とともに意識して摂取したい。

 ところが、米国人は年間170kgの肉を食べる一方、日本人は30㎏程度。

 米国人は同時に多量の脂質(と白砂糖)も摂取しているせいか肥満超大国だが、とにかく、なみの日本人が1日60gのたんぱく質を食事からとるのは、かなり大変。

 さて、獣肉は部位によって脂質の過多はあれど、100gにつき30g前後のたんぱく質を含有する。

 中でも、脂質率の少ない「鶏むね肉」がベスト。しかし、固くてあまり美味しくないから、一般家庭で食べ続けるのは難しい。

 それに、獣肉の脂質は「飽和脂肪酸」といって、常温下では白い固形。体内に蓄積するのがまさしくこれ。

 必須脂肪酸だし、エネルギー価は高い。が、乳製品や食用油など様々な食品に含まれるため、過剰摂取で成人病に陥りやすいのが問題なのだ。

 加えて、文明国で出回るほとんどの家畜類には、早期出荷と過密管理による伝染病予防のため、ホルモン剤と抗生物質を混ぜた遺伝子組み換え飼料が与えられている。

 コスト要求の強い精肉は、例えば、秋田名産比内地鶏だと普通なら150日かかる成長期間を、ブロイラーならわずか50日までに短縮しなければ、あの値段では販売できない。

 政府の指導下なら薬剤やGM飼料が危険というわけではない(だろう)が、この事実を知って

 「肉を積極的に食べたい」

と宣言できる日本人(特に女性)は、多数派とはいえないだろう。

 もっとも、それでは「医食同源」の実践は困難であると、"自称"健康意識高い系の稲造は思う。

 魚のタンパク含有量は100gあたり20~25gと、獣肉に劣っておらぬ。

 マグロ、サンマ、サバ、イワシ...日本のレギュラーは、基本天然。

 つまり、精肉と違ってホルモン剤や抗生物質もゼロ。しかも、缶詰など加工段階で無添加なら化学成分も一切なし。

 しかも!

 魚の脂質はご存知「不飽和脂肪酸」。

 総称オメガ3の、脳内伝達物質に効いて網膜にもいいというEPAや、血液サラサラに効くDHAといった脂肪酸。

 厚労省の指針に「妊婦も授乳婦も、通常より多くのn-3系脂肪酸の摂取が必要」とあるし、「美容のために魚油より肉油」という女優もたぶんいない。

 肉の食べ過ぎで医者の世話になる人はたくさんいるが、魚の食べ過ぎにドクターストップがかかる人は極めてまれというか、聞いたことがない。

 何が言いたいかというと、

 「三陸産の魚シリーズ11品そろっています」

という前置きの異様に長い、せこい宣伝ですよ。はい、いつもすみませんね。

 でも真面目な話、食品業界の片隅に籍を置くものとして、「医食同源」はいつも意識しています。

 なんせ、食べ物はメンタルへの影響も大きいですからね。

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