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米屋だけど麦の話したいんですが...麦もイネ科だからいいよね
2022年11月9日

①種別と食物繊維

 製粉してパンや麺にするのが小麦、粒のまま食べたりビールにするのが大麦。

 現代は、米も大麦も食べる段階で精白するため、ビタミンミネラルは皆無に等しい。

 食物繊維は、米は白米ならほぼ皆無。玄米や胚芽精米にそれは残るが、大麦の場合は糠層ではなく、胚乳部分に食物繊維が含まれる。

 100gあたり、白米は0.0Xgの食物繊維だが、大麦はなんと約10g。1/10が繊維質ゆえに、100%の麦飯はボソッとしておいしくない。

 種別としては、米にも麦にも「うるち種」と「もち種」がある。

 押麦はうるち種だが、巷で人気の「もち麦」とは、もち種の大麦こと。丸くて小さな愛くるしい外観と、プッチンプルルンな食感が好評らしい。

 両者は、食物繊維の中身も違う。

 うるち種の押麦は不溶性/水溶性が5:5だが、もち麦は水溶性/不溶性が7:3くらいの比率。ちなみに、玄米や胚芽精米は不溶性100%。

 不溶性食物繊維の仕事は、腸内の不要物をくっつけて排出する掃除。水溶性は腸内細菌のエサになる。


②腸活

 栄養吸収は腸で行われるし、飲食物に含まれる異物に対応するため、免疫細胞の7割が腸内に集中する。

 我々の健康を司るのは、まさに腸とその住人達(100兆の細菌群)。

 ゆえに、食物繊維皆無の白米食の場合、美容と健康のためにも、野菜などの副食物を豊かにしなければならない。

 なにせ、手洗いと双璧をなす、一般家庭でできる最強の感染症対策は、免疫力の強化。これを機会に、食生活は腸内細菌とその居住環境に問うてみるのもいい。

 白米食の人は、健康の要である腸のため、大麦を混ぜてみるのもいい。

 白米だけなら糖質エネルギーしか摂取できないが、押麦より断然食べやすいもち麦が入ることで、腸に対するアプローチがずいぶん異なる。

 ビタミンB1も一緒に摂取するなら、不溶性の胚芽精米&水溶性のもち麦コンビがおすすめ。


③もち麦・筑後産くすもち二条

 ようやく本題。

 九州北部の筑後平野(福岡南部から佐賀にまたがる平野)で生産された「くすもち二条」という品種のもち麦が入荷しました。

 商品欄に写真を掲載していますが、小気味のいいライトイエローの外観が特長的。

 真ん中の茶色い線、胚芽のあった濃い黄色の部分とのコントラストが、もちプリな存在感を演出しています。

 食べてみると...

 お米の味や食感を決して邪魔しない、透明な味わい。

 一方で、

 「あ、くすもち二条かんだ!」

と食べるものに分からせる、もちぷりコロコロ、プチン!と歯間ではじける、遠慮のない自己主張。

 名のあるパティシエが作った上品なゼリーみたい(食べたことないけど...)で、もちもちというより、ぷりぷち。

 また、十八穀米150gに、このくすもち二条50gをプラスした「十八穀米withくすもち二条」を新販売しております。

 混合率からわかるように、主役がもち麦くすもち二条で、その他が脇役です。

 従来の十八穀米は押麦だけ。水溶性繊維をより多く含むもち麦の新加入により、ぷりプチ感と食物繊維のバラエティーを広げました。

 色が他のもち麦と違ってライトイエローなので、それが真っ白なご飯によく映えて、彩の美しさも特筆です。美的食感まで刺激される。

 白米だけでたべるよりも、ごはんがもっと栄養と美味しさに溢れますよ。宣伝じゃなくて、ホントに。

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