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2020年8月6日


 農作物の天敵は、①雑草②害虫③病気。植物も人間や動物同様、病気になる。

「稲」にとって最大の脅威は、カビ菌が原因で枯れてしまうイモチ病。

 今年のように、雨が多くて気温が高い年にパンデミックを起こしやすい。今夏はイモチ病用の農薬が一時品薄になったらしい。

 ところが、この病気に弱い水田と、強い水田がある。

 かかりにくいのは、どういう水田なのだろう?

 先天的にイモチ病に強い品種も存在するが、答えはどうやら、稲が根を張るための土づくりにある。

 篤農家と呼ばれる人々は、田植え前、土中の微生物内容を豊かにするため、たい肥や炭などを混ぜ込んだり、土への気配りに余念がない。

 有機栽培や特別栽培といった農産物は、もともと農薬や化学肥料の使用に制限があるため、病気になるとただでさえ少ない収穫量がさらに減る。

 予防のためにも、バラエティに富んだ有機肥料をきっちり与えておく。すると、無機質な化学肥料しか与えていない稲より、体質がだいぶ強くなる。

 生産者の技術や手間暇で、人間でいうところの「基礎免疫力」が違ってくるのだ。

 土や肥料、そして水まで良質だと、胚乳(白米の部分)のアミノ酸構成が豊かになって食味も向上、上品さが加わるという嬉しいおまけがつく。

 こういうお米を食べたくはないですかね?と確信して、私はそういうお米を輸入し、販売している。

 稲造米のある生産者に

「俺、こどし帰れねぇがら見にいげねすども、イモヂィ大丈夫っすがね?」

と濁点満載の方言炸裂で尋ねたら、育て方が違うんだぜと、経験に裏打ちされた自信の表れ、

「まだ全然大丈夫だべぇ」

と、上手を取られても決して慌てない、横綱の貫禄。

 稲造と取引のあるどの篤農家も、花咲前のイモチの季節は、当たり前のようにうっちゃってくれるだろう。

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