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2022年3月9日

 

「天空の城ラピュタ」を5回は見た俺。

ドーラ一家に追われたパズーとシータは、ポム爺さんの坑道へ逃げ込む。

そこで、二人は一緒にお昼ごはん。

あら、パズーのカバンって魔法のカバンみたいね!

パン、青りんご、飴玉、そしてなんと目玉焼きまで出てきて、パズーはぺろり。

あの、目玉焼き丸飲みに挑戦した少年は、俺を含めてどれだけいたことだろう。

今日はその話ではない。パンだ、パン。

ラピュタの舞台設定は、18世紀後半。当時、パンは「ライ麦パン」が主流だった。

中世から近世(日本なら平安末期~江戸時代)にかけて、地球は「小氷期」で今よりずっと寒かった。

ライ麦は耐寒性に極めて優れ、摂氏1度で芽を出すという。北部欧州では、もともと雑草だったというこの品種しか作れなかったのだ。

ライ麦は、小麦と比較して栄養満点。

低カロリーにして高タンパク。高食物繊維な上に、カリウム、カルシウム、マグネシウム…とミネラル成分を何倍も含む。

ただし、小麦パンよりまずい。グルテンを含まないから生地が固い。

当時は胚芽のついた全粒粉(米でいう玄米)。品種改良されているわけでもなく、ボロボロガチガチだったはず。

しかし、当時の農民の食事内容が凄い。4000kcal分のライ麦パンを主食として食べていたのだそうだ。

日本でも、農民は1日5合、兵士だと7合の玄米を食べていた。おにぎりだと、ソフトボールサイズ2~3個級。

平均身長160cmに満たないながらも、昔の人の食べる量といったら。

(なお、現代の20代女性は、昭和21年の女性よりも、摂取カロリーが少ないという説もある。晩婚化とともに少子化の一因ともされる)

小学生の時に見た「南極物語」で、渡瀬恒彦が南極越冬隊の必須カロリーを高倉健に説明するシーンを未だに覚えているが、それが1日4600kcalくらい。

つまり全てが肉体労働の世界では、極地における労働量を補うだけの熱量を摂取しなければ、仕事にならなかったのだ。

しかし、玄米や全粒粉ライムギパンは、摂取カロリーの7割以上がそれ由来でも、おそらく栄養があまり偏らない。

パズーのカバンから出てきた「ラピュタ飯」は、実は完全栄養食って話。

・・・

現代は、精白米と製粉白小麦が主流。

いずれも、美味しさや食べやすさの代償として、ビタミンB群やミネラルのほぼ損なわれたデンプン(糖質)への偏りが著しい。

欠落分は副食物で補わねばならぬ。

しかし、誰のせいかは知らぬが、子供の頃から手軽にできる(買える)油脂たっぷり濃い味付けばかりの食習慣だから、中年になってガタがくる。

1.主食を玄米や全粒粉麦にする
2.塩や砂糖はミネラル豊富な天然塩と粗糖にする
3.1日最低10㎞歩く相当の運動をする

ようになれば、生活そのものが「ダイエット」になる。

女性の二人に一人以上が90歳以上まで生きる時代に、75過ぎて歩けなくなるのって、やっぱ嫌でしょ?

こういうのって、若いころからの習慣だと思う。
 
ところが、玄米や全粒粉は美味しくない。だから続かない。

ゆえに、白米ならもち麦や押麦など雑穀を混ぜたり、あるいは玄米よりは落ちるが、白米よりずっと栄養価のある胚芽精米がおすすめ。

2は、1キロ115円とかの精製塩なんて、塩化ナトリウムほぼ100%と偏りが著しい。

3は、家事を積極的にしたり(家庭内で動く)、外でも自分の脚でできるだけ移動する機会を作るだけ。

習慣化できないことはないのだ。