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2021年2月17日

 

 女性なら、たいがいダイヤモンドを持っているだろう。

 しかしなぜ、ダイヤの輝きが彼女たちの瞳を激しくまたたかせるほど、そこに価値があるのだろう?

 理科の話だが、酸素分子とアルミやベリリウム分子の結合したものが、ルビーやサファイヤ。それらは厚さ40~60の地殻でできる。

 一方、炭素分子のみの結合でできるダイヤだけは、地球を対流するマントル層で生成される。

 50~60ギガパスカルという途方もない圧力と高熱を、炭素分子が何億~何十億年と受け続けると、分子が高密度に凝縮し、宇宙で何番目かに硬い物質になる。

 その希少性たるや、と思いきや、研磨ではあたりまえに使われるダイヤ。埋蔵量は、少なくとも金よりはるかに豊富らしい(採掘量は非公表)。

 かつて、南アのデビアスという、陰謀論でおなじみのユダヤ資本が、ダイヤ流通の9割以上を独占していた。彼らはダイヤ価格を吊り上げるためにその供給量をコントロールし、さらに、

 「ダイヤモンドは永遠の輝き」

と、昭和世代なら誰でも知っている、その後100年使われるキャッチコピーをひねり出した。

 さらに、映画やテレビで女優に身につけさせ、そのミステリアスな希少性を、宗教のごとく消費者に信じさせたのである。

 素人では、イミテーションと本物の区別はつかない。

 しかし、これは○○カラットのホンモノ、と鑑定書がついていればこそ給料3か月分?の価値があるし、

 Ah(今)私を動かすのはダイアモンド~

と、プロポーズされた彼女が、感動の果てに当時のヒット曲を歌いだすのである。

 ちなみに、イスラエルの輸出品目のうち、20%はダイヤ。一時期、世界のダイヤの36%は日本人が所有していたという。

 日本人に宗教心はなくとも、信仰しやすい性質があるのだろう。

 実際のところ、職人が精巧なカットを施し、煌めき輝かせる技術と鑑定書があればこそ、ダイヤには現物的価値が生まれる。

 しかし、ダイヤそのものには、研磨石程度の価値しかない。どんな形をしていても、金は金、とは違うのだ。

 ゆえに、金剛石こそ世界一の宝石であると、付加価値をつけた上で、そう全世界に信じさせたユダヤの布教活動にこそ、ダイヤ的価値があったといえる。