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2022年8月18日


(1)年間消費量

「石(こく)」という単位がある。

1合150g、1升1.5㎏、1斗15㎏で…1石150㎏。升のサイズが基準となっているそうだが、1石は江戸時代の日本人が1年間に食べる量だった。

貧乏百姓が悪代官に搾取されるイメージの江戸時代だが、実は年間150キロもの玄米(当時は基本的に玄米食)を食べていた。当時の平均身長は、男女で150~160㎝なのに、である。

明治以前(都市部は江戸時代中頃まで)は1日2食が基本。だから、一食当たりの玄米摂取量は、どんぶりメシ換算で約2杯!

一方で、平均身長が10㎝は伸びた現代人の年間米摂取量は、ほぼ白米で50㎏を切る程度。

ん?

江戸期は摂取カロリーの7割超が米という糖質過剰生活でも、肥満や糖尿病が問題ではなかった。

現代人は糖質=米を1/3しか食べていないのに、なぜメタボ(内臓脂肪)に苦しむのか?


(2)A級戦犯

「まだ若い」と錯覚している、約38歳のあなた。脂肪肝が気にならないだろうか?腸間膜の間に詰まった脂肪とか。

メタボA級戦犯は砂糖?

いやいや、日本人1人当たりの砂糖摂取のピークは、1960年代の30㎏。今は約16kgと半減している。(一方で安価な人工甘味料が増えた)

では、肉や油の脂質類?

1980年は一人当たり約30㎏の肉を食べており、現在は約45㎏と1.5倍。ただ、アメリカ人は年間110㎏(と砂糖30㎏)と世界に冠たる肥満国家。中韓人は犬まで食べる、昔からかなりの肉食。

現代人は江戸時代の3分の1しか米を食べないし、砂糖の摂取量は60年で半減。肉は同じ東アジアの中韓より少ないわけで、世界的に見ればそれほど食べていない。

つまり食生活以前に、メタボの主犯は運動不足なのだ。


(3)動いて食べる

若い女性は骨がもろい上にやせすぎ

と、厚労省が警鐘を鳴らしている。

現代の30歳以下の女性の摂取カロリーは、団塊の世代の母親たち(1人で4,5人産んだ世代)にあたる、昭和21年の同年代女性より低い。

配給だけでは死んでしまうと、その日の糧を得るだけで必死だった昭和21年でさえ、1900Kcalは食べていた。

一方で、現代の若い女性は平均1600Kcalしか取っていないという。

やせてるほうが着られる服も増え、インスタ映えもするのだろう。

しかし、体脂肪率が低すぎると、脂肪細胞から放出されるレプチンというホルモン分泌が減る。

そのせいで生殖機能障害が出始め、少子化にも拍車がかかるんだよと、厚労省は暗にいいたいのだ。

それはさておき、戦後すぐあたりまでの日本人は7割方お米(最低でも7分つき)からカロリー摂取していたから、繊維質は1日28gもとっていた。(現代は14g程度)

しかし、糖質過多でも、それ由来の病気を気にする人はほとんどいなかった。

この辺から、日本人の体質と健康に適した、日常生活のありかたが見えてくる。

たくさん動いて、体に害のないものを「繊維質と一緒にがっつり食べる」こと。

それがストレスのない、健康の秘訣なのであった。