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2022年7月21日

※北限のコシヒカリ→現在は取り扱いが無いので、特栽&無農薬あきたこまちの生産手法の具体例です。


無農薬こまちの生産者より、私が知る限り日本最北限で生産されたコシヒカリ、勝手に名付けて「北限のコシヒカリ」が入荷しています。

生産地は、秋田県最大の観光地である田沢湖近くの角館町です。

少し南の秋田県横手市からもコシヒカリを入れていますが、こちらは、秋田県基準で農薬4割減&化学肥料不使用。

一方の北限は、農薬5割以上減&化学肥料8割以上減で、こちらは「特別栽培米」の認証を受けています。

(農薬・化学肥料ともに5割以上減が認定条件)


・認証制度のちがい

特別栽培農産物とは、自治体から委託を受けた認証機関から、農薬・化学肥料の使用状況を審査・承認されているものをいいます。

担当者がきて、年2回の書類審査と、実地検査をします。

「有機JAS」は、農水省(国)が定めたJAS規格に適合しているかを審査します。

特に、「当該農地および周辺環境において、過去3年以上、農薬や化学肥料を使用していない」という点を厳しくみます。

日本において「オーガニック」と銘打てるのは、この規格をクリアした農産物のみ。規格認証を経ずして、「オーガニック」を名乗ることはできない。

弊社の商品だと、石川産の「無農薬コシヒカリ玄米」がまごうことなきオーガニック。中国やタイのオーガニックは怪しい限りですが、こちらは世界のどこに出しても通用するオーガニック。

3年ではなく、なんとバブル時代から30年以上その規格を維持しているのだからすごい。

農薬を使えないと、防虫も除草も大変。化学肥料がないと収量も不安定。いざ病気になると全滅必至。つまり江戸時代と同等のリスクと手間暇だから、有機は値段が高い。

これが特別栽培になると、無農薬でも使用状況は単年基準で、周囲環境も関係なしになる点が大きく違います。

例えば、妻はタバコを吸わなくとも、夫の喫煙による「受動喫煙が喫煙者に当たらない」のが特別栽培で、「喫煙者に該当する」のが有機JASです。

受動喫煙も3年以上なしとなると、「非喫煙者認定」としてかなり厳しい条件ですよね。石川コシはそれが30年です。

繰り返しになりますが、「北限のコシヒカリ」は、特別栽培米です。弊社だと、あきたこまち、つや姫、ミルキークイーン、無農薬こまちがこの認定を受けています。


・エリート育苗

通常、稲の苗は苗箱で集団的に育てられます。一方、「北限」は苗箱ではなく、苗箱がたくさんの区画で区切られた、個別区画(ポット)で育苗されます。

より具体的にいえば、通常の苗箱は400株を1つの区画で育てますが、ポット育苗は1株を400区画で育てる。

もちろん、後者の方が高コストで面倒です。

しかし、幼少期にそういう育て方をすると、根の張りがしっかりして地中からがっちり養分を吸い上げる力が強くなる。

そして、風が吹いても、実りに実っても倒れない、いわば強い足腰になる。

それゆえ、ふつうのお米と比べると、1つの稲に1.3倍~2倍の穂が実らせても倒れないといいます。

しかも1粒1粒が大きくて重たいから、農薬を減らして、かつ病気予防のために低密度栽培しても、収量も減らない。

このように、植物の根の張りとは、人間の身体でいうところの足腰というか、心でいうところの不動心というか、人格の根本たる存在なんですね。

だから、秋の早い北限でもコシヒカリが育つ。横手コシヒカリよりも、さらに1周り大粒で1粒ごとが重たく、よりふっくらとしています。

石川の無農薬コシはさらに大粒で、北限よりもっとふっくらしています。(こちらは粒の選別サイズからして違いますが)

同じコシヒカリですが、稲造コシ3種を食べ比べてみても面白いですよ。違う品種みたいです。

(なんだ、ドンキの5㎏25ドルとか2㎏9.9ドルと変わらないじゃんっていわれたら、自信喪失で米屋やめます…)

ちなみに無農薬こまちは、北限コシと同生産者の同一生産手法です。こちらも「特別栽培米あきたこまち」と比較して一回り大粒で、よりふっくらとしています。

結論をいえば、同じタネでも育ち方で随分違いが出るものだと、食べて実感。植物も人間同様、環境の生き物なんですね。

北限コシは2~10㎏まですべて2㎏袋で、「特別栽培米」シールを張って出荷いたします。