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2021年8月4日

無洗米は、一般精米より美味しくない...というのが、稲造というより、おそらく日本の米屋の一致した見解であります。

じゃあ、なぜスーパーで売っているのでしょうか。

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実は、うちにも無洗米対応の精米機ありますけど、やっぱり美味しくないんです。精米時間が長すぎる分、失うものがある。

なぜか。

無洗米はもともと1回1升炊くような、研ぐだけで水道代がバカにならない飲食向けに開発されたお米です。

そのためには、

1.時間をかけて微細なヌカを取り除く
2.表面を高圧洗浄する
3.でんぷん質を吹きかけてヌカを吸着する

といった手法が必要になる。

だから、特殊な精米機と手間がかかる分割高で、かつ、精米過程でお米の温度が上がったりして、食味は落ちてしまう。

無洗米ユーザーは、商品名からくる「手軽さ」イメージ最優先で購入を決めていると思います。


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そもそも、現代は精米機が進化していますから、「研ぐ」必要はないです。

昔は、杵と臼で玄米を搗(つ)いて精米していました。かなりの重労働で、福沢諭吉は日々の運動のために精米していたそうです。(杵と臼は慶応の福沢資料館に現存)

これだと表面にザラザラとヌカが残ったために、ギュッギュとしごくように洗ったり、拝み洗いしたり、文字通り「研ぐ」必要があった。

そうしないと、炊きあがりのご飯にヌカ臭が残ったはず。研ぎ方ひとつでごはんの味がかなり違ったでしょう。つまり、同じ諭吉印のお米でも、各家庭や飲食でかなり個性があった。

昭和中期までは、米研ぎ名人がいたはずなんです。

残念、無洗米ユーザーの皆さん。昭和40年代までなら、家庭用米に無洗米を選ぶ価値があったかもしれません!

時代は変わって、見た目はさらっとした白米になった。

それでも、表面に顕微鏡で見るとわかる程度の微細なヌカが残っている。現代の米研ぎは、それを「すすぐ」程度に取ってやるだけなんです。

米研ぎ用スティックありますよね?魔女みたいな爪の人、ネイルアートに凝ってる人、水に手を付けなくても、あれで十分です。料理はできなくても、今のお米は誰にでも研げる。

で、すすぐ段階で、万が一もみ殻や小石など不純物が入ってないか、ちゃんと見てください。

現代の核家族の炊飯量なんて、1回にせいぜい3合くらいですよね?それをすすぐだけですから、せいぜい30~60秒とか。

なヌ?それすら面倒くさい?ま、無洗米ユーザーは料理しなさそうだからなぁ。

あ、研ぎ汁って、ヌカじゃなくて、でんぷん質が溶けだしたものですからね。水が透明になるまですすぐ必要なんかない。米も割れちゃうし、研ぎすぎ。

一方、1升炊きの飲食はすすぐだけでも大変ですから、手間や水道代を考えたら、無洗米の方が圧倒的におすすめです。

なお、胚芽精米はヌカを一緒に食べるものですから、無洗米みたいなものです。研ぐと胚芽が取れてしまうため、本当に軽くすすぐだけで十分です。