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2022年10月15日

 さんまは近年大不良続き。

 豊漁時はつかみ取り100円の客寄せパンダですが、4年前の日本において、半分サイズが例年の2~4倍もしたのを目撃した。

 今年はなんと、1尾6000円の初値(釧路)。

 最近、宮城の気仙沼において、史上最も遅いさんまの水揚げがあったそうです。

 漁獲は北海道よりまだ北のカムチャッカ方面。今年は台風が少な過ぎて海水温が著しく上昇、プランクトンの集まるエサ場が一気に北上した。

 さんまは日本の太平洋側を何万キロと回遊していますが、小氷期だった江戸時代は、千葉の銚子沖が黒潮と親潮のぶつかる最大のえさ場でした。

 明治以降、年々それが北上。現代は三陸沖が最大漁場になり、宮城の石巻・気仙沼が東洋一の水揚げ港となったわけです。

 こういうさんま事情である一方、シンガポールでも日系スーパーや和食レストランで「秋の味覚」なんて銘打ってスペシャル価格で販売されていますよね。

 事情を知るものとしては、なぜ日本よりはるかに安値?という疑問がぬぐえぬ。

(業界筋からしたら、「日本米」と称するお米もこんな類のが多いのですが)

 さて、各社とも早々にさんま製品は生産中止を宣言。

 弊社には気仙沼産の「さんま醤油煮」、石巻産の「さんま甘辛煮」とありますが、昨年水揚げ分の在庫がなくなり次第、販売中止となります。

 缶詰のいいところは、パック時品質を3年半以上保てること。缶詰はナポレオン時代から進化を続け、酸素透過性ゼロゆえにいまだ世界最良の保存食です。

 というわけで、魚ファンの皆様。

 「今年のさんまだ!」と信じて、背中の曲がった冷凍さんまや外食もいいのですが、弊社のフレッシュパック三陸産さんまシリーズも、ぜひよろしくお願いします。

 ちなみに、いわしとさばは今のところ「平年並み」ということです。

 大衆魚たちがいつまで「富士宮焼きそば」的な立ち位置でいられるのか、魚好きには切ないところです。

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