SHOW SIDEBAR

23年2月8日


(1)マルチタレント

米が小麦の代用になりうることを知って以来、オーブンフル稼働で、その加工と試食に余念がない。

米は

1.加工形状
2.水分と混ぜてこねるための「つなぎ」
3.ベーキングパウダーのような添加物

の使い方次第で、精白小麦の代替品になるどころか、それ以上のものになりうる。

東南アジアでは、星州屋台でもおなじみビーフンやホーフン、クワイテオーといった、芋粉と混ぜて作る米麺もメジャー。

これがモチッとして結構おいしい。

しかし、日本で「麺」といったらなぜ白小麦か蕎麦しか原料にならないのか、不思議でならない。

ジャポニカ米とインディカ米の違いはあるが、ジャポニカ米でも十分加工に耐えうる。

日本での栽培歴3000年にも関らず、食べられ方が限定的で、お米様が不憫でならぬ。

そのマルチな才能から、小麦以上に活躍の場があってしかるべき。

歌って踊れて演技もできる、見目麗しき国民的アイドルになるべき存在なのだ!

(2)砂糖減量作戦

一番簡単な米の加工は、①生地状にして②こねて③焼いてしまうこと。

そこに小麦全粒粉や大豆粉、あるいはアーモンド粉など栄養価の高そうなものを混ぜてみてもいい。

肝心なのは、砂糖を使わないこと。焼き菓子やパンに油を入れないとカサカサになるため、油(サラダ油やダックオイルは使わないでくれ)は必要。

だが、自作の菓子やパンに砂糖は必要ない。

周りを見てくれ。

食材には、それだけで甘いものが結構ある。小麦の代わりの米を使うように、代用品はあるのだ。

①バナナ

糖度が高く、南国の部族の間では主食になるほどだから、エネルギー価も高い。

カリウムも必要十分に含んでいるため、「むくみが取れる」と、妙齢のご婦人方にも一時期人気だったw

ネチョネチョだから、もとから加工しやすい。ミキサーで回すと卵となじみ、簡単に生地と混ざる。

②さつまいも

2010年の誕生以来、その圧倒的な糖度で瞬く間にスターダムにのし上がった、紅はるか。

作付面積22%(2位はべにあずま15%で茨城の主力)と、さつまいも界のコシヒカリとして君臨中。

外見の濃いエンジと、「他のさつまいもをはるかに凌げ」との願いが、その名の由来となった。

星州スーパーでもおなじみ、バナナの糖度21度に対して、紅はるかは20~30度と果物を上回る甘さ。

昨年10月、横浜そごうで「芋博」なる、さつまいも菓子を一堂に会した、

ドキっ!女だらけのスイーツ大会

に、この稲造も男一匹、勇を鼓して果敢に参戦w

居酒屋における一時期の獺祭が如く、多くのがこの「紅はるか」を用いていた。

芋ほり遠足といえば「べにあずま」が、もはやスイーツ業界にお呼びではないことは明白。

ほっそりとして赤が勝った紅はるかは、単純に蒸しても甘いのなんの。

もりんっ♡と折ったときの、溢れんばかりの黄金の蜜をたっぷり含んだような果肉色。

フェロモンムンムンで花実兼備な見栄えも甘みも必要十分w

こりゃあもう、俺のようなうだつの上がらないおっさんまでさえ、その解き放たれた甘~い蜜に引き寄せられちまうw

さつまいもは加熱すると糖度が増す。いったん蒸し、それをミキサーで生地に混ぜ込むと良さそう。

さつまいもといえば食物繊維。

普通の野菜は水溶性か不溶性のどちらかであるが、100g中、水溶性1g&不溶性2.8gとバランスもいい。玄米は不溶性のみ3g。

なお、江戸中期の享保の飢饉において、さつまいもを奨励普及させた青木昆陽。

恩を感じた民草は、昆陽をして千葉の幕張で「芋神さま」として龍が如く昇天せしめ、未だ信を仰いでいるそうなw

③レーズン(などドライフルーツ)

干しブドウ。

水分含有率15%、糖度20度前後と、乾燥前の水分たっぷりぷるるんブドウが、いかに発酵しやすいワイン向きの果物かをうかがわせる。

レーズンといえばクッキーやパンだが、この糖度から考えると、砂糖はもういらない。

ブドウを圧縮したもので栄養価も豊富。カリウムや鉄分が代表的栄養価。

焼き菓子やパンなどを自作する場合、生地に混ぜ込んでみたい素材。Cold Strageなら量り売りしている。

④甘酒

甘酒は、米麹があれば簡単に作れる。

米麹とは、蒸したお米の中にまで麹菌を浸透させたもの。

これに水を入れて、65度に加熱して8時間発酵させれば...

あら不思議、お米のでんぷん質(ブドウ糖が10個連なったもの)が単糖のブドウ糖に解糖。

ごはんや玄米を混ぜれば甘さは控えめになるが、米麹のみで作った甘酒は、バナナの倍くらい甘いのではないか。

砂糖のなかった時代、甘酒の甘さは代えがたいものだったに違いない。(大麦を発酵させた水飴はあった)

ゆえに、甘酒は砂糖の代用たりうる。

また、発酵過程で出てくるコウジ酸には、メラニン色素の生成を抑える働きまであるそうな。

⑤スイートコーン

ピンポイントの甘さになる、レーズンのような位置づけ。

騙されたと思って、ひじき、切り干し大根、卯の花…といった代表的煮物に入れてみると、その甘さを実感。

甘さといっても、和食的まったりな甘さはみりん次第。満足度重視なら、みりん風調味料ではなく、ぜひ本物を使ってくれ。

スイートコーンは、星州ではフランス産のdaucyが、値段なりに最も高品質で満足度が高い。

・・・

…と色々あげてみたが、砂糖はショ糖(ブドウ糖&果糖)のみであるため、簡単に甘みが加わるのはいいが、なにせバランスが悪い。

代謝するために、体内で様々な栄養素を必要とするから、体に負担もかかる。

また、

「複数の栄養素を含んだ甘み」

を加えた方が、ただ砂糖と油をたっぷり加えたものよりはるかに栄養価に富んで体にもよく、さらに複雑さや深みも生まれる。

要するに、マズローピラミッドの頂点「自己実現欲求」を達成したいなら、味蕾を縦横に刺激すべし。

白小麦の代用としてのお米に、砂糖の代用としてのもろもろの食材を用い、夜な夜な単身赴任生活の無聊を慰めるのであったw