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2021年12月14日

 

実は、12月25日ではない。

この時期は、1年で昼が一番短い冬至。ここを境に、夏至に向かって昼が少しずつ伸びていく。

宗教的には、太陽=生命の死と復活を象徴する日。つまり、イエスさんその人を象徴する日なのだ。

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才能あふれる芸術家・天涯孤独になったネロは、風車焼失事件をきっかけに、村八分にされてしまう。

唯一の希望・絵画コンクールにも、高価な絵の具を用いた金持ち息子に敗れてしまう。

10歳にして人生のどん底。もうろうとする意識の中、吹雪の中を、引き寄せられるようにアントワープ大聖堂へと向かう。

救いのない少年に、最期に最高のプレゼントをくれたイエスさん。

ボクは...ボクはついに見たんだ!

その夜だけ無料公開される、キリストの磔刑を描いた、ルーベンスの2枚の絵。

瞬間よ止まれ、汝はいかに美しい!

魂の救済。やせ細ったネロの顔に、天空から光が差す。そして、絵の前に横たわる裸足のネロと、寄り添うパトラッシュ。

天使たちに導かれ、二人は昇天する。

このシーンはマジやばい。しかしネロよ、なぜ死なねばならなかった!?

木こりのおじさんは君を引き取りたかったし、ルーベンスの再来を期待した審査員の一人は、君を迎えにきていた。コゼツ旦那など、金貨を見つけてくれた君を…

まさに逆転人生。NHKにも出られたのに!

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電気の神様・マイケル=ファラデー。

丁稚奉公先の親方が「科学講義に行ってこい」と、好奇心に目を輝かす少年の背中を押してくれた。

のち、王立研究所所長になったファラデーは、年1回、ちびっこクリスマス科学講義を行う。

その講義録の1つが、名だたるノーベル賞受賞者たちを科学の道へといざなった、「ロウソクの科学」。

ロウ(C)を、表面張力により芯から吸い上げ、CをOと結合させて、CO²にする現象、燃焼や発光とは何か?

その講義は、子どもたちの瞳に「炎よ行け」と、科学のともし火を燃えあがらせた。

物理現象のあまりにも精緻な設計に、彼は神を信じた。

つまり「ロウソクの科学」は、ファラデーを通じたイエスさんからの、人類への贈り物だった。

ちょっと早いけど、メリークリスマス!